これからの季節増加する下痢・嘔吐。しっかりin-outの観察を!

看護師向け記事

看護師のyukinoです。

冬に近づくにつれて、増加していくのが、下痢・嘔吐の患者さんですよね。

下痢・嘔吐は、何らかの原因により消化管での消化・吸収が障害された状態、または防御機能によって起こります。

下痢・嘔吐の患者さんの、in-outの観察ポイントなどについてお伝えしていこうと思います。

下痢・嘔吐の際は脱水に注意

下痢・嘔吐が起こる原因は様々です。

原因として、ウイルス性(ノロ・ロタ・アデノウイルスなど)、細菌性の感染性腸炎や非感染性腸炎(キノコ類・貝類・山菜の毒素、抗菌薬の服用)などがあります。

原因によって、治療は異なってくると思いますが、とりあえず、下痢・嘔吐と言えば、体内の水分や電解質が、体外へ出て行ってしまいますよね。

ということは、気を付けるべき点は、脱水です。

下痢・嘔吐による脱水は、電解質喪失による低調性脱水ですね。

下痢の場合と嘔吐の場合では、体外へ出ていくものの内容が違ってきます。

なので、下痢、嘔吐それぞれについて、解説していきます。

下痢

まずは、腸の働きからおさらいです。

腸には、毎日9Lもの水分が入っていき、そのうちの95%が小腸で再吸収されます。

ということは、小腸では毎日、8.5Lもの水分が再吸収されているんですね。

改めで考えるとなんだかすごい。

人間の神秘を感じてしまいます。

で、残りの0.5Lの80%が大腸で吸収されます。

なので、正常の排便で出ていく水分量は、100ml/日程度ということになります。

下痢は、200ml/日以上の排便のこととされています。

また、便の性状によって、含まれる水分量は異なります。

硬便:水分量70%以下
通常便:水分量70%前後
軟便:水分量70~80%
下痢便:水分量80%以上
水様便:水分量90%以上

含まれる水分量は、上記のようになっています。

どのような便が、何回出ているのかを観察する必要がありますね。

また、水分だけが出ていっているわけではなく、電解質も排出されています。

HCO3- の過失による、代謝性アシドーシスに注意する必要があります。

他にも、軽度の下痢では低Na血症重度の下痢では低K血症に注意必要です。

 

嘔吐

先ほどお伝えした通り、水分のほとんどが小腸・大腸で吸収されます。

上部消化管にある消化液(胃液、膵液、胆汁、回腸液)は、ほとんど水分でできているんです。

なので、嘔吐により消化液が、体外に出ていった場合、その排出された量が水分喪失量となります。

消化液の電解質は、部位によって異なります。

何の電解質が体外に排出されたかを知るためには、嘔吐物の観察が必要となってきますね。

嘔吐物の色、性状、においなどを観察し、アセスメントしましょう。

また、嘔吐が続く場合は、胃酸内に含まれるH⁺の喪失により、血漿内のHCO3-が増加することにより、代謝性アルカローシスに注意が必要です。

下痢も嘔吐も脱水に注意が必要ですね。
outだけではなく、inの量も把握する必要がありそうです。

 

観察点は?何をみる?

観察点としては、便や嘔吐物の性状回数におい、の観察は必須ですね。

患者さんの全身状態として、チェックすべき点として、皮膚状態(乾燥など)や肛門周囲のただれの有無も見ておきたいです。

患者さんの意識状態、経口摂取が可能か、無理であれば、医師へ報告し早急に点滴による補液が必要でしょう。

また、便や嘔吐に気を取られて、排尿のチェックを怠らないようにしないといけないですね。

あとは、採血データについて、医師も確認していると思いますが、看護師の目でも確認しておかなければいけませんね。

どのような対応をする?

脱水症状が出現している際は、補液が重要です。

経口摂取が可能であれば、経口補水液(OS1)を摂取させるといいでしょう。

経口摂取が困難な場合は、速やかにルートキープし、点滴による補液が必要となります。

患者さんの状態をしっかりと観察し、適切な処置ができるようにしたいですね。

嘔吐・下痢によって1番起こりやすいのは、やっぱり脱水。
脱水症状の出現に早期に気付き、治療が大切ですね。

まとめ

下痢・嘔吐症状のある患者さんの観察点についてお伝えしました。

1番は脱水症状についての観察が重要となってきます。

患者さんの状態をして、悪化・重症化しないように看護師として関わっていきたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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