ケーススタディって何?どんな流れで書けばいいの?

看護学生向け記事

看護師のyukinoです。

看護学生なら、誰もが経験する「ケーススタディ」。

忙しい実習の中で、患者さんとの関わりについて、考察しまとめるのって、結構しんどいですよね。

私も、貴重な夏休みを使って仕上げた思い出があります。

そんなケーススタディについてお伝えしていきます。

ケーススタディをする意味って?

そもそも、なぜケーススタディというものがあるのでしょうか。

それは、事例や事象を取り上げ、その原因や解決方法などについて分析、立案することによって、「問題解決能力」や「意思決定能力」を開発するという研究、教育の手法だそうです。

なんだか難しいですね。

簡単に言うと、実習で患者さんとの関わりを通して、「あの関わりはよかった」「実施したケアは正しかったのか」「もっといい関わりはあったのか」などより深く考え、今後に活かすためですね。

このような、事例検討は看護師になってからもあります。

看護研究や学会、事例検討などで発表することもあるんですよ。

正直めんどくさい…っていうのもあるんですが(笑)、学びにつながったり、自分自身を振り返るいい機会だと思います。

私は学生のころ、母性で関わった、3人目の出産をした妊婦さんについてのケーススタディをしました。

内容やテーマは…忘れました(笑)

10年前のことなので、すいません…(笑)

しかし、当時は、ケースをまとめている最中に、「あの時はこう関わった方がよかったな」「こんな内容の指導もしたらよかった」「ここはいい関わりが出来ていたな」と思い返しながら、やっていた記憶があります。

そのときの振り返りを元に、後半の実習に少しは活かせたと思います。

看護師になってからの、1年目の振り返りで、同期がまとめた内容がとても印象に残っているので、紹介します。

同期は、終末期の患者さんを受け持っていました。

患者さんは血圧の変動が大きく、調子のいい日と悪い日がありました。

ある日、患者さんが「トイレで便がしたい。今日は調子がよさそうだからダメかな?」と同期に相談してくれたそうです。

もともと便秘気味で、おむつ内での排泄が苦手な方だったので、トイレで排便したいという患者さんの気持ちがとても分かりました。

そこで同期は、バイタルを測り、問題がなかったので、先輩看護師や主治医、本人ご家族と相談したうえで、ポートブルトイレを使用することにしました。

患者さんは、トイレに座れることをとても喜んでくれ、ポータブルトイレへの移乗を介助し、側で見守りをしていました。

しかし、途中で、意識喪失し、患者さんはそのままお亡くなりになってしまったのです。

ずっと付き添っていたので、意識喪失からの対応は問題なかったのですが、どうにもならなかったそうです。

同期はこの時、ポータブルトイレを使用しなければ、患者さんは亡くならなかったかもしれない、という後悔がなくならない状態でした。

ただ、誰も同期を責めませんでした。

なぜなら、患者さんの状態をきちっと観察し、先輩・主治医にも確認し、ご家族の意見も確認し、何より患者さん本人の強い希望を尊重していたからです。

ご家族さんからは、「本人の希望をかなえてくれてありがとう。最後にトイレに行けて、喜んでると思う。担当の看護師さんがあなたでよかったわ。」という言葉をかけてもらえた様です。

この出来事について、先輩が新人研修の最後に発表することを勧め、振り返る中で色々な学びと間違えた判断をしたわけではなかったと思えるようになり、看護師としてとても成長することができたのです。

この事象について、あなたはどう考えますか?

もし、このとき、同期が振り返りの機会を持てず、そのまま日々の業務をしていたら、精神的に看護師として働けないようになっていたかもしれません。

事例検討やケーススタディによって、自分を振り返ることで、得られるものもあるということなんです。

では、そんなケーススタディですが、どのように書いていけばいいのでしょうか。

どんな流れで書いたらいいの?

看護学校によって、書式などがあるかもしれないので、一概には言えないのですが、だいたいの流れについてお伝えします。

「テーマ」→「はじめに」→「研究場所・期間」→「患者情報」→「看護の実際」→「実施・結果」→「考察」→「おわりに」→「参考文献」

こんな感じの順序でまとめていくといいと思います。

一つ一つ見ていきましょうか。

テーマ

テーマがないと始まりませんよね。

実習を行っているときに感じた疑問や自分の中だけでは解決できないような出来事でもいいです。

一度、事例について、深く考えてみてください。

看護って、答えのない問いに対して、自分自身の答えを出さないといけない場面がありますからね。

ざっくりしたテーマ、何となくの方向性を決めておいて、テーマ(仮)を決めて進めていくといいと思います。

最終的に、すべてまとめ終わってから、全体的な内容とテーマがずれていないか確認してから、テーマを決定するといいですよ。

先ほどの同期の話で、テーマを考えるなら「終末期の患者さんの生命維持と尊厳について」なんてどうでしょう。

何かをすることによって、急変のリスクはあるけど、患者さんの強い希望があるときの、関わりについて振り返りたいわけですからね。

はじめに

ここでは、「どんな患者さんにどの様なかかわりをしたことで、どのような結果になったのか」ということを記載します。

自分の関わりや考えた結果についても書くので、まとめみたいなものです。

すべて終わってから、最後に記載するのがいいと思います。

研修場所・期間

これは、そのままですね。

○○病院、○○病棟、〇年〇月〇日~〇月〇日でOKですね。

患者情報

患者方法を記載しますが、個人情報が漏れないようにすることが必要です。

患者さんの名前は、A氏と記載して、年齢も70代男性のように、特定できないよう記載しましょう。

あとは、疾患名やADL、性格、入院までの経緯についての記載をしましょう。

後々、分析に関係してくるような、患者さんの情報を書いておくといいと思います。

どんな患者さんに、どんなことをしたのかと説明するときに、患者さんの特徴を記載しておくことで、聞き手はイメージしやすくなります。

看護の実際

ここには、患者さんの「看護問題」「目標」「どのように関わったのか」などについて記載します。

患者さんにはどのような問題があって、どのような目標をたてて、あなたが関わったのかについて、書いていくわけです。

あなたが、患者さんに対して1番気になっている関わり方についてのエピソードを、思い出せる限り詳しく書きましょう。

実施・結果

看護問題を解決するために、あなたが患者さんに対して、どの様な関わり・ケアを行ったか、そしてどのような結果になったのかを記載します。

時系列で書いていくと、わかりやすいですよ。

例えば、実習開始1週目の関わりとして、問題点に対する情報収集とアセスメント、ケアの計画の立案をした。

2週目には、実際にケアを実施した。「○○」という発言があり、このような表情・行動が見られた。

このケアを通して、患者さんにこのようないい結果(悪い結果)があった。

というように書くといいでしょう。

考察

ここでは、マズローとか理論家の考えを用いて、先ほどの「実施・結果」で書いた内容について分析します。

で、結果的に関わり方やケアが適切であったかについて、結び付けるのです。

この考察の段階で、昔の偉い人たちの考えを見ることで、新たな視点や発見があったり、自分自身の視野を広げるきっかけになるかもしれないですよ。

おわりに

ケーススタディーを通して、得た学びや、今後に活かしたい内容について記載し、終了です!

お疲れさまでした。

文献

文献を使用した際、出版社、本のタイトル、作者、ページを記載する必要があるので、調べた本とページは写真をとっておいた方がいいですよ!

長くなりましたが、ケーススタディなどはある程度「型」があります。

先輩が残してくれた、歴代のケーススタディが図書室にないでしょうか?

先輩のものを参考にすると、1番書きやすいかもしれません。

あと、文章を書く際に、1つの文が長くなりすぎないように気を付けるといいですよ。

1文が長すぎると、読みにくいし、何のことを言ってるのかニュアンスが変わってくることがあるので注意です!

まとめ

ケーススタディって何のためにするのか、どの様な流れで書くといいかについてお伝えしました。

実際にケースをまとめるのって、すごい大変で、めんどくさいです。

しかし、新たな発見や自分のメンタルを保つために、とてもいい機会だったりします。

どうせやらないといけないなら、自分のためになるように取り組みたいですね!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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