看護実習で患者さんに何を聞けばいい?うまく情報収集するには?

看護師のyukinoです。

看護実習はとても大変ですが、学びがたくさんあります。

なかでも、コミュニケーションを通しての情報収集って、患者さんを知るためにも重要ですよね。

コミュニケーションや情報収集って結構難しい。
私は学生のころとても苦手でした。

看護師になって、患者さんから必要な情報を聞き出せるようになりました。

患者さんとのコミュニケーションや情報収集で困っている看護学生の参考になればうれしいです。

実習で患者さんとどう会話すればいい?

実習が始まって、1番初めにすることは患者さんとのコミュニケーションですよね。

できるだけ早い段階で、患者さんの情報を知ることが出来れば、患者さんにできるケアや関わり、指導などが増えます。

でも、会話って難しい!

朝の挨拶をして、バイタル測定して、前日眠れたか、排泄の回数、痛みや体調不良はないかを確認するまではいいんです。

そこからの会話ですよね。

私は学生のころ、患者さんに一通り聞いた後、「…何話そう。」と微妙な間がありました。

そして、焦り、どうでもいいことを話します。

私「き、今日はいい天気ですね。」

患「そうですね。」

私「……。」

患「……。」

私「また、あとで来ます。失礼しました~。」

何話そう!会話が続かない!となっていました。

今思うと、そりゃあ会話が続かないだろうなと思います。

なぜなら、患者さんのどのような情報を知りたいのか、どんな分析をしたいのかを自分自身がわかっていなかったからです。

そして何より、患者さんがどんな風に生きてきて、どんな仕事をして、どんな経験をしてきた人なのかを知りたいと思っていなかったんですよね。

「情報収集!」「コミュニケーション!」「何か話さないと!」という意識だけではダメだったんです。

自分から話そうというよりも、患者さんに語ってもらえるような状況になるといいですよね。

なので、できるだけ聞き手になるような声掛けがいいと思います。

例題いきましょうか。

70代の女性。右大腿骨頸部骨折の手術後の患者さんの清潔面についての情報収集をします。

聞きたい内容は何か考えます。

・入院前はどんなふうに清潔を保っていたか。(毎日入浴してた?シャワーだけ?デイサービス?介助は必要?口腔ケアの方法は?)

・現在の状況でどやって清潔を保持するか。(患者さんの希望は?医師の指示は?荷重していいの?傷の状態は?下肢の痛みは?かゆいところは?衣服はきれい?)

・退院後はどうなる?(いつ頃痛みはとれるの?お風呂はいつからOKなの?家のお風呂はどんなの?一人で入れるの?)

ざっと書きましたが、清潔面だけでも、患者さんのことを知ろうと思ったら結構出てきましたね。

退院後の話は、一般的な大腿骨頸部骨折について調べたうえで、医師の考えはどうかをカルテから情報を得るといいと思います。(わからなければ指導者さんに聞いてみましょう。)

これを一つ一つ質問していたら、尋問みたいで、患者さんからしたら嫌かもしれません。

なので、ちょっと違う話題から入るのもいいと思います。

学「旅行はお好きですか?」

患者「好きよ。温泉旅行によく行ったわ~。」

学「いいですね!おすすめの温泉があったら教えてください。」

患者「○○はよかったよ。足が治ったらまた行きたいわ。いつ頃いけるかしら?」

学「○○ですか!いつか行ってみます!早く治さないといけないですね!骨がくっついて、痛みがなくならないと厳しいですよね。骨折についてはお医者さんに確認してみます。普段のお風呂もどうすればいいか考えないとだめですね。」

患者「そうね。この足ではお風呂は無理よね…」

学「やっぱり、お風呂入りたいですよね。清拭だけじゃ物足りないですか?」

患者「シャワーだけでいいから、汗流したいわ~。」

学「そうですよね。入院前は毎日湯船につかっていましたか?」

患者「シャワーは毎日だけど、湯船は週に3回くらいよ。」

と、こんな感じで、聞きたいことがはっきりしていたら、会話がなくなることはないと思います。

患者さんのことが知りたいと思っていたら、会話している中で、たくさんの疑問がわいてくるはずですよ!

上手く情報収集するには?

先ほども言ったように、患者さんを知ろうとすることが大切です。

でも、お話がスムーズにできない方もたくさんいらっしゃいますよね。

認知症があったり、倦怠感が強くて話すことも苦痛な方もいますし、言語障害があって聞き取りにくい方もいます。

認知症の方

認知症の方は、同じことを何度も話しますよね。最近のことは覚えてないですし。

しかし、昔のことやその方が頑張ってきたことって全部覚えています。

女性だったら、子育てや料理の話、趣味があったら趣味の話をしてみると、そこから話が広がります。また、その会話から、患者さんの信念を分析できるのではないでしょうか。

男性なら、仕事の話、趣味の話は鉄板です。政治について教えてもらうのもいいかもしれません。そうすると、どんな考えをもった人なのかがわかると思います。

倦怠感が強く、話すのが苦痛な方

しんどい状態の患者さんに無理やり話をさせるのは間違っていますよね。

でも、情報収集しないと、記録かけないし、患者さんに必要なことがわからない。

そんな時は、ご家族に聞くのが早いです。

ご家族から見た、患者さんの情報はとても重要です。
ご家族と会話するのも緊張しますが、積極的に話してみてください。

しかし、ご家族が来られない時もありますよね。

そんな時は、清拭や足浴などのケアを通して、表情が変わったか、変わらなかったかをしっかりと観察するのも大切です。

「気持ちよかった」といってもらえたら、「爽快感を得られた」と記録に残せばいいし、何も発言がなくても、「清潔を保てた」でいいと思います。

苦痛な表情になったなら、全身清拭から部分清拭に変更して、苦痛の軽減をすればいいと思います。

患者さんは全身から、たくさんの情報を出してくれています。

その情報にどれだけ、あなたが気付けるかがポイントになってきます。

言語障害があって、会話が難しい

グループメンバーで言語障害のある方を受け持った子はとても困っていたのを思い出します。

患者さんは伝えたいことがあるのに、それが伝わらない。私たちも訴えを知りたいけど、わからない。

お互いにすごくもどかしいですよね。

そういうときは、その患者さんの1日のリズムを知るといいと思います。

どうすればいいか?会話で聞くのは難しいなら、1日の行動を観察すればいいんです。

人って、どのタイミングで何をするかって、だいたい決まってますよね。

食事、リハビリ、入浴、洗面などはケアの時間を固定することで、時間が来たら患者さんとアイコンタクトだけで通じ合うこともできるようになると思います。

「もうすぐリハビリの時間なのでトイレ行っときましょうか。」と、トイレへの誘導もスムーズになります。

こんな風に、情報収集の方法は患者さんによって大きく変わってきます。

気難しい患者さんもいますし、無口な方もいます。どんな人でも、患者さんを思って、患者さんのために行動したことは受け入れてくれるはずです。

患者さんに拒否されるのは、患者さんのタイミングではなく、あなたのタイミングで行動しているからかもしれません。

患者さんの情報を得るためには、患者さんのタイミングを知ることも大切です。そのためにはしっかり観察をしましょう!

まとめ

実習で患者さんを知るために必要なコミュニケーション。

患者さんを知ろうと思ったら、会話は尽きないと思うし、患者さんを理解し、適切なかかわりをすることで、短い実習期間中でも信頼関係を築くことはできると思います。

患者さんの情報は言葉だけでなく、手の平を見るだけでも得られることはあると思います。(手相じゃないよ。ごつごつしてたら力仕事や畑を頑張ってきたとか!)

患者さんが全身から出している情報に気付けるよう、しっかりと観察する力を身につけましょう!

あなたが、看護師になって一緒に働ける日を楽しみにしています!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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