看護師のyukinoです。
看護学校を卒業し、新人看護師となれば、病院で働き始めると思います。
病院にはそれぞれ、新人教育のための研修やプリセプター制度があり、それぞれの病院のやり方で新人指導が行われるでしょう。
新人さんに合わせた方法・はやさで、プリセプターが指導方法を考えますが、プリセプターによって指導方法は異なります。
では、どのような指導が理想的なのか、お伝えしていきたいと思います。
プリセプター制度の利点・欠点は?
2010年4月から、新人看護師研修を行うことを国が義務付けしました。
理由として、看護学校を卒業したての新人看護師さんは、
患者さんのためにできることを頑張ろう!
自分にできることを増やそう!
と、キラキラした気持ちで、病院へ就職します。
しかし、看護師の現実は、休憩も取れないくらい忙しくて、患者さんと関わる時間は少なく、覚えることもたくさんあって、目が回るほど大変ですよね。
その理想と現実に大きなギャップを感じて、1年目で挫折し、離職する新人看護師が多かったようです。
そこで、登場したのが、プリセプター制度です。
プリセプター(先輩・指導者)は、プリセプティ(新人)と共に行動することで、様々なことを指導していきます。
・患者さんとの関わり方
・技術的な指導
・様々な知識
・メンタルの保ち方
などを、就職初期から指導していきますよね。
はじめは、見学から始めて、次に見学下での実施、そして独り立ちしていくと思います。
そうすることで、徐々に新人看護師が一人でできることが増えていき、看護師として活躍できるようになるのです。
私は、このプリセプター制度はプリセプターとプリセプティの関係が良好で、プリセプターに指導できる能力があれば、とてもいい制度だと思います。
実際にプリと良好な関係を築いていた同僚は、プリセプターを本当に尊敬し、どんなことでも相談できる関係になっていました。
さらに、結婚式の乾杯の挨拶をしてもらっていましたし、プリさんは、同僚の幸せを本気で願い、号泣する姿を見ることが出来ました。
プリセプターが尊敬できる看護師だったら、新人さんも安心して看護師として育っていけそうですね。
しかし、プリセプターがプリセプティと相性が悪かったり、指導できる能力のない人だった場合、最悪な結果になります。
私と同じ病棟に配属になった同僚に、かなり気のキツイと有名なプリセプターがつきました。
本当に、気もきついし、言葉もきつい人でした。
「前教えたのにまだできないの?」「何回言えばいい?」「私の指導が悪かったみたいで、すいませんねえ」「今忙しいから無理」「報告ちゃんとして!」
なんて言葉をよく同僚にかけていました。
同僚は耐えきれなくなり、上司へ相談し、入職して半年で、私のプリセプターと交換になりました。
私のプリセプターは、「私からは何も課題とかは出しません。あなたが見てほしいならあなたから声をかけてきてください。」と、初日から言うタイプの人でした。
正直、課題や強い言葉なかったので、楽でしたけど、知識は増えませんでした。
新人って、自分が何を若手いないかわからないし、日々の業務だけでは知識の不足を感じ、不安なまま毎日を過ごしていました。
自分でわかっていない事に気付いたときは、先輩に質問できますが、気付けないから質問できず、理解できていないまま年数を重ねることになります。
そこで、プリセプターが「○○についてわかってる?わからないなら、調べてきて明日答え合わせしよう。」と声をかけてくれていたら、新人時代の私に、不安はなかったかもしれません。
プリセプターになった看護師には、新人指導以外の仕事があり、大変なことは分かります。
しかし、新人が早く自立したら戦力になり、病棟も楽になるかもしれません。
手厚く指導することは、新人以外の看護師を助けることにもつながりますよ!
新人看護師の独り立ちを促す指導って?
新人が独り立ちできている状態というのは、どういう状態でしょうか?
例えば、採血について指導します。
まず、先輩が見本を見せます。(準備から手技、最後の片づけまで)
新人さんに、見学してみてどうだったか聞いてみます。
次に、新人さんに準備から、後片付けまで実施してもらいます。
一通り出来ていたらOK!あとは一人で採血してね~。
で、いいでしょうか?
私が新人だったら、このような指導はされたくないです。
なんなら、厳しい指導も嫌です。
私が考える、新人看護師の独り立ちは、新人さん自身が不安なく処置ができるようになった時です。
誰でも、初めての処置の時って緊張しますし、不安ですよね。
いきなりですが、あなたは、摘便を初めて行った時のことを覚えていますか?
ではここで、私の摘便エピソードを聞いてください。
摘便
摘便の見学は、3回ほどしていました。
ある日、先輩に「排便4日ない患者さんがいるけど、yukinoさん、摘便してみる?」といきなり声をかけてもらいました。
「は、はい!指導お願いします!」
と、伝え、初めての摘便をしました。
感想は、人のおしりに…。おばあちゃんごめんね!いくぞ!あああ!あれ?何もない…って感じでした。
先輩に、何も触れないと伝え、交代してもらうと、出るわ出るわ!大量です。
このときの私は、摘便に対しての第1次自信喪失しました。
私の指先は、便すらもわからないのか…と。
別の日に、セカンドチャレンジしますが、またも失敗。
第2次自信喪失ですね。
「私には摘便はできないのかもしれない。簡単そうに見えるのに…」
しかし、ある時、摘便がめっちゃうまくできたんです。
先輩にも問題なし!と言っていただき、患者さんにも「すっきりしたわ」と言っていただけたことで、摘便への苦手意識が薄らいでいくのを感じました。
そして、回数を重ね、たくさんの患者さんの摘便を行うことで、苦手意識はなくなりました。
私が何を言いたかったのかというと、初めての他者に不快感を与える処置って、緊張・不安・ドキドキしますよね。
今は先輩・ベテラン・指導する立場のあなたでも、初めは何をするのにもドキドキしたはずです。
その処置を、自信を持って行うためには、成功体験が必要だということです。
成功体験を新人さんにしてもらうためには、回数が必要です。
そして、できなかったことを叱責するのではなく、できた時に自分のことのように喜ぶ姿勢を見せる、ほめることが大切ですね。
1つの処置の手技を習得したいのなら、できるだけ、間隔をかけることなくその手技を行うことをおすすめします。
また、新人さんによって、覚えるのが早い子とゆっくりな子がいます。
新人さんのペースに合わせて、指導していけたらいいですよね。
早く覚える方が仕事ができるわけではありません。
やることは早いけど、めっちゃ適当にしている場合もありますし、ゆっくりだけど一つ一つの手技が丁寧でミスがない場合もありますからね。
最終的に、丁寧でミスがなくて、素早く処置ができるようになるのは、覚えるのがゆっくりな子かもしれませんよ。
指導する立場として、新人さんが何に不安を感じているのかを把握したいですね。
そのためには、新人さんのペースに合わせた指導が必要です。
先輩看護師はどう関わる?
プリセプター制度はありますが、病棟には、多くの看護師が働いています。
できるだけ、プリセプターとペアの新人さんは同じ勤務になりますが、ずっと一緒というわけにはいきません。
ということは、プリセプターが不在の時は別の看護師がフォローに入ります。
看護師と言っても、それぞれ経験が違いますよね。
やり方や考え方が違う人も中にはいるかもしれません。
もし、プリセプターが普段している内容と違う内容を新人さんに指導してしまった場合、新人さんは混乱します。
その日指導してくれている先輩の言う通りにするべきだけど、プリセプターと言っていることが違う…どうすればいいの?誰を信じればいいの?
そんな疑問や混乱を新人さんに味わわせない方がいいですよね。
そうならないためにも、その病院・病棟のやり方を統一しておく必要がありますね。
そして、新人さんが、誰に聞いても同じ回答が返ってくるような状況にしておくと、新人さんの混乱は減らせますし、安心感があります。
私も聞く人聞く人全員から違う答えが返ってきて、困った経験があります。
手技、指導の統一化は必要なことですね。
また、病棟は忙しくて、新人指導に多くの時間を使えないのも事実です。
その忙しい中で、新人さんに質問されると、イラっとしてしまうことがあります。
しかし!そこで、「今無理!時間ない!」とキツイ言い方をしたり、無視をするなんてことは絶対にしてはいけません。
あなただって、人に質問した時に、きつく言い返されたり、無視されたら、次質問できなくなりませんか?
新人さんが質問できない状況ほど怖いものはないと思っています。
だって、間違った内容を先輩に確認もせず、行ってしまい、重大なミスに繋がったら、責任はだれのものでしょうか?
新人さんも悪いですが、確認作業が気軽にできない病棟の責任もあると思います。
新人さんを指導し、独り立ちへ導くことは、時間がかかるし大変なことです。
しかし、日々の業務を一緒に戦う仲間が増えるわけでもあります。
せっかく活躍できる看護師を育てても、尊敬できる先輩がいなかったり、無視やパワハラをする先輩がいたら、退職・離職する可能性が高いですよね。
そうなると、また1から新人を育てることになります。
先輩の負担がずっと減らない状態が繰り返されるのです。
嫌ですよね。
自分が楽になるためには、新人さんを育て、みんなが働きやすい環境を作り出すことが1番いいことのようですね。
まとめ
新人看護師の独り立ちを促すために1番いいことは、新人さんをしっかりと観察し、新人さんのペースに合わせた指導を行うことが必要です。
新人さんによって、覚えがいい子、ゆっくりペースな子がいます。
それぞれを認めて、適切な指導、いい環境づくりをしていくことが、あなた自身の働きやすい環境へと変わっていきそうですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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