看護師のyukinoです。
たばこ好きな方からしたら、あまり聞きたくない内容、禁煙ですね。
看護師でも、喫煙者の方は多くいると思います。
しかし、たばこの体への害はたくさんあります。
患者さんへ禁煙指導する際、たばこの害、喫煙を続けるとどうなるのか、禁煙するとどうなるのかという点を伝えていくと思います。
指導に役立つ情報をまとめましたので、参考になればうれしいです。
喫煙による障害
喫煙による障害は多くあります。
たばこの煙には、400種類もの化学物質が含まれているんです。
この中でも有害なものは、タール・ニコチン・一酸化炭素などが有名ですよね。
たばこの三大有害物質と呼ばれています。
ニコチン
ニコチンはたばこへの依存度を高める物質です。
喫煙することを、ニコチン依存症と呼びますよね。
タバコをやめられない原因を作っているのが、このニコチンです。
個人差はあるようですが、麻薬に匹敵するほどの依存度があるんだそうです。
ニコチンは、口腔内の粘膜から吸収され、数秒で全身に回ります。
また、血管収縮、血圧上昇、脈拍増加が生じ、心臓に大きな負担をかけます。
タール
タールですが、発がん性物質や発がん促進物質が多く含まれています。
タバコを吸っている人の歯が茶色くなったり、部屋が黄ばんだりする原因は、このタールです。
タールに含まれる、フェノールと呼ばれる物質は、気管にある繊毛細胞を傷つけるため、有害物質が肺に入り込みやすくなってしまいます。
このタールは、長年喫煙を続けることで、肺に蓄積されていくそうです。
基準として、1日に20本タバコを吸う場合、1年間で肺にタールをコップに半分もため込んでいることになるんですって。
コップに発がん性物質をたっぷり入れて、肺に流し込んでいるようなものですね…
恐怖しか感じない…
一酸化炭素
一酸化炭素は、無味無臭の気体で、きわめて毒性が強い物質です。
一酸化炭素の恐さをお伝えすると、血液中にヘモグロビンがありますよね。
ヘモグロビンは酸素と結合し、全身へ酸素を運んでくれています。
しかし、一酸化炭素は酸素よりも、200倍もヘモグロビンと結合しやすい性質を持っているのです。
なので、血中の酸素不足が起こってしまいます。
有名どころで言うと、練炭自殺がありますね。
練炭自殺での死因は、一酸化炭素中毒によるものです。
自殺に使用されるような物質をたばこで体内に摂取していると思うと、喫煙するのはまさに命がけですね。
また、動脈硬化を促進させる作用もあるとも言われているようです。
ニコチンの量が少ない銘柄に変えたとしても、一酸化炭素の量は変わりません。
たばこにより起こりうる病気は?
・肺がん
・咽頭がん
・口腔がん
・食道がん
・胃がん
・大腸がん
・肝臓がん
・すい臓がん
・膀胱がん
・子宮頸がん
・COPD
・気管支喘息
・肺炎
・虫歯
・歯周病
・歯の喪失
・メラニン色素の沈着
・脳卒中
・大動脈解離
・腹部大動脈りゅう
・冠動脈疾患
・末梢動脈疾患
・不妊
・勃起不全
・妊娠合併症
・早産
・先天性口唇口蓋裂
・低出生体重児
など、たばこだけが原因ではないかもしれませんが、たばこにより、上記のような病気になるリスクを高めているといえるでしょう。
年々、金額も上がってきており、金銭的にも優しくないたばこ。
体を蝕む、害しかないたばこ。
吸う人だけではなく、まわりの人にも影響するたばこ。
禁煙することにメリットしか感じないのは私だけでしょうか。
20歳から、長年喫煙してきて、年をとっても喫煙している方からしたら、「今更禁煙したって、無駄でしょ?」って思うかもしれません。
しかし!禁煙はいつ始めても、効果が現れるんです。
禁煙は何歳でも効果が現れる
非喫煙者・喫煙者共に、呼吸機能は年齢とともに低下していきます。
非喫煙者の場合、息切れ・呼吸苦を感じることなく年を取っていく場合がほとんどです。
しかし、20歳で喫煙を開始し、喫煙を継続していた人は、65歳で息切れを実感し始めるという研究結果が出ています。
老後を息苦しさを感じながら、過ごすのって嫌ですよね。
しかし、45歳までに禁煙をすれば、歳をとっても、息切れを感じることはほとんどなくなるんだそうです!
40代の喫煙者の方へは、老後の肺のために、看護師として禁煙を勧めていくべきですね。
では、50代以降なら、禁煙をしても、もう無駄なのでしょうか?
いいえ。そんなことはありません。
50代以降でも、禁煙することによって、呼吸機能の低下を緩やかにすることが出来ると報告されています。
呼吸機能のことを考えると、45歳までに禁煙を!
患者さんの体全体のことを考えると今すぐにでも禁煙を指導するべきですね。
私は看護師として、COPDの患者さんで、SPO2は99%という数値でも、苦痛様顔貌でいつも苦しそうな呼吸をしている90代のおばあちゃんを思い出します。
そのおばあちゃんも、長年たばこを吸っていました。
家族からはタバコをやめるよう言われ続けてきたのに、やめられなかったのは、おばあちゃん自身なので、自業自得ではあります。
しかし、「苦しい…苦しい…」と口癖のようにつぶやき、夜間も眠れず頻コール。
私自身、呼吸器系の疾患にだけはなりたくないと思うきっかけになった患者さんでした。
看護師として、患者さんが苦しむ姿は極力見たくないですよね。
たばこによる呼吸器疾患の患者さんが増えないよう、喫煙患者さんには指導をしていきたいですね。
禁煙によるメリット
禁煙をするにあたって、メリットはたくさんあります。
禁煙後数時間で、一酸化炭素レベルが非喫煙者と同レベルになります。
数日で、味覚が敏感になり、食べ物がとってもおいしく感じられるようになりますよ。
食べ物がおいしく感じると、今度は肥満に注意が必要になりそうですが(笑)、まずは目指せ禁煙ですね!
1~2か月で、痰・咳・喘鳴などの症状が軽減・改善してきます。
1年でCOPDの患者さんであれば、肺機能に改善がみられてくるでしょう。
あとは、長い時間をかけて、癌になるリスクが、非喫煙者と同レベルにまでなってきたり、循環器疾患のリスクが喫煙者と比べると低下します。
喫煙していた事実は変わりませんが、禁煙することよって、病気になるリスクを少しでも減らすことが出来るんです。
この事実を、患者さんに伝えることで、何か変わるかもしれませんね。
まとめ
禁煙指導では、たばこには、どの様な有害な成分が含まれているか、喫煙することによるリスク、禁煙するメリットについて、伝えていきたいですね。
「1年間でコップ半分のタールを肺に流し込んでいる」「禁煙数日で食事がおいしくなる」など、具体的に伝えることで、患者さんはイメージしやすくなるでしょう。
患者さんがたばこによる体への害について、具体的にイメージ出来て、恐いことだと感じてもらえたら、禁煙への第一歩です。
正しい知識を患者さんに指導していきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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