無口な患者さんとのコミュニケーション!看護実習で使える技!

看護学生向け記事

看護師のyukinoです。

患者さんとのコミュニケーションって、楽しいようで難しいですよね。

コミュニケーションは、患者さんの性格や希望、考えを知ることが出来ます。

よくお話してくれる患者さんならいいのですが、無口な患者さんだと、情報が取れなくて困ることってありますよね。

無口な患者さんとコミュニケーションをとり、実習の間に信頼関係を築くには、どうすればいいかについてお伝えしていきます。

コミュニケーションの種類

まず、コミュニケーションには2種類あります。

言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションですね。

あなたは、言語的、非言語的内容だったら、どちらの方が患者さんの情報を多く得られると思いますか?

答えは、非言語的内容なんです。

他者から受け取る情報の6~9割は、非言語的内容だと言われているんですって!

しかし、学生の頃って、言語的コミュニケーションに頼りがちになってしまいますよね。

では、言語的・非言語的コミュニケーションについて、説明していきます。

言語的コミュニケーション

言語的コミュニケーションの方法として、「言葉」「手話」「筆談」などがあります。

話す人の気持ちや意見が、1番わかりやすくて、伝わりやすい方法だと言えますね。

この言語的コミュニケーションは、自分の意見がはっきりしている人や他者に自分の気持ちを伝えることが上手な人には、有効な方法だと思います。

たくさんお話してくれる患者さんは情報がとりやすくて楽!

もっと濃い会話をするにはどうすればいいんだろう?

ただ、日常会話をしていても、深いところまで聞かないと、記録に書けないし、分析が難しくなります。

そこで、できるだけ、濃い内容のコミュニケーションをする必要がありますね。

そもそもコミュニケーションは、「聞き手」と「話し手」が必要です。

基本的に、看護師・学生が聞き手で、患者さんが話し手になります。

そしてもう一つ大切なのが、「合いの手」です。

例え話をします。

心疾患の患者さんが、入院のきっかけについて、話しているとしましょう。

まずは、合いの手なしバージョンからいきますね。

いつもみたいに、朝起きてご飯の支度をしようと思ったら、胸が苦しくなっちゃって…夫が慌てて救急車を呼んでくれたのよ~。

へ~。

……。

…今日はいい天気ですね~。

…会話終了ですね(笑)

患者さんに興味があったら、上記の患者さんの発言に対して、色々と疑問や聞きたいことが浮かんでくると思います。

こんな会話ばかりしていたら、患者さんは「この人は私の話を聞いてくれない人」という位置づけにされる危険があるので注意が必要です。

次に、合いの手ありバージョンはこんな感じです。

いつもみたいに、朝起きてご飯の支度をしようと思ったら、胸が苦しくなっちゃって…夫が慌てて救急車を呼んでくれたのよ~。

それは大変でしたね。
胸が苦しくなることは、時々あったのですか?

時々あったの。でも、すぐに治まっていたから、気にしていなかったのよ。

すぐに治まるなら病院に行くか判断しにくいですもんね。
他に血圧が高かったり、足がむくむなどはありませんでしたか?

このように、患者さんの話を傾聴し、話してくれた内容を受け入れます。

「傾聴」「受容」「共感」が聞き手にはとても大切なことです。

そして、合いの手として、次の質問をさりげなく聞きます。

質問を、より具体的な内容にすることで、患者さんは答えやすくなりますね。

具体的な質問をするためには、疾患についての知識があれば、患者さんに質問しやすくなると思います。

事前学習の大切さが、ここで感じられることでしょう。

聞き手は、傾聴・受容・共感の姿勢が大切!
合いの手を入れるためには、自分に知識が必要!

では、次に非言語的コミュニケーションについて、説明していきます。

非言語的コミュニケーション

非言語的コミュニケーションには、身振り・手ぶり・姿勢・表情・視線・距離・服装・髪型・声のトーンや声質などがあります。

もはや、全身ですね。

ということは、患者さんは全身から情報を発してくれているということです。

患者さんの発する情報を、看護師がいかにキャッチできるかが重要になってきます。

また、患者さんだけでなく、看護師の態度もきちっとしないといけませんね。

看護師が、話を聞く姿勢になっていないと、患者さんは何も話してくれないということになります。

「何でも聞きます」「どんな話でも受け入れます」という体勢、表情、視線で患者さんと向き合いたいですね。

では、無口な患者さんからの情報は、非言語的コミュニケーションで得ることが出来そうですね。

無口な患者さんとのコミュニケーション

無口な人っていますよね。

元々、無口な人もいますし、病気で話すのがつらくて話せない人もいます。

どちらにしても、私は、あなたが患者さんのそばにいることをおすすめします。

理由としては、先ほどもお伝えした通り、患者さんは全身から情報を発してくれているからです。

たしかに、ちょっと気まずい感じもわかります。

しかし!実習です。気まずさも含めて、学びに繋げてしまいましょう!

患者さんのそばにいれば、言葉はなくても、表情を見れば、苦しいのか、眠いのかわかると思います。

体の異常に気付くためには、正常を知っておく必要がありますよね?

それと同じで、患者さんのいつもの顔・表情を知っておくことで、「いつもと違う」違和感や異常に気付くことが出来るようになります。

このような患者さんの小さな変化に気付けるようになるには、3週間の実習期間でも可能です。

あなたが、患者さんを知りたい、何か力になりたいという態度、姿勢を患者さんに見せていれば、患者さんに気持ちが通じて、受け入れてくれると思いますよ。

「患者さんに寄り添う看護」っていうのは、ただベッドサイドに座って、患者さんの言う通りにするだけではありません。

私は、患者さんの小さな変化や希望に気付き、こちらから手を差し伸べられるようなことをいうのだと思っています。

話は変わりますが、あなたは、ALSという難病を知っていますか?

全身の筋肉が徐々に動かなくなっていく病気です。

手先、足先から動かなくなり、腕、足、体幹が動かなくなって、最後は表情まで動かなくなるんです。

とても恐い難病です。

私は多くのALSの患者さんと関わってきました。

病状が進行し、人工呼吸器を使用しているALSの患者さんの多くは、PCを使って文字を打ち、医療者に訴えを伝えます。

わずかに動く指先や、視線とまばたきだけでPCを操作するんです。

しかし、まばたきすらできなくなる患者さんもいます。

そんな患者さんは自分から何も伝えられないでしょうか。

そんなことありません。

呼吸器の音、皮膚の色、排泄の有無、手の位置、チューブ類の位置など、普段と同じかどうかを目で見て、耳で聞いて、匂いをかいで、触ることで、訴えを感じ取ることが出来ます。

五感を研ぎ澄ませて、まさに全身で情報収集することで、変化や異常に気付くことが出来るんですよね。

何も言わなくても、側にいて支えてくれる存在って、頼りになりますよね。

信頼関係を築くには?

先ほどからお伝えしている通り、普段の患者さんをしっかりと観察することで、患者さんの性格や生活リズムなんかも把握できるようになってきます。

入院中の生活リズムを言語的コミュニケーションで教えてもらってもいいですし、非言語的コミュニケーションで把握するのもOKです。

患者さんの生活リズムを知り、患者さんのタイミングで患者さんに必要なケアができるようになればいいですね。

患者さんとしても「よく見てくれてるな。自分のために頑張ってくれているな。」と感じてくれると思います。

そう感じてもらえたら、「あなたになら何でも話せる。」「あなたじゃないと嫌だ」「あなたといると心地いいな」と思ってくれるはずですよ。

実習は3週間ですよね。

長いようで、あっという間の3週間です。

3週間の間、全力で患者さんと向き合い、患者さんに必要なことは何か、希望は何かを考えてみてください。

そのためには、2種類のコミュニケーションをしっかりと活用していってくださいね!

まとめ

無口な患者さんや話せない患者さんはたくさんいます。

言葉だけに頼るのではなく、患者さんが全身から発する情報をキャッチできるよう、五感を研ぎ澄ましてくださいね。

そして、患者さんのタイミング・希望に気付き、いいケアができるよう頑張ってください!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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