看護師のyukinoです。
看護師や介護士には必須の手技に「おむつ交換」があります。
おむつ交換って、簡単なようで難しいんですよね。
私自身、学生や新人のころは、苦手でしたが、今ではプロフェッショナルなおむつ交換ができます(笑)
そこで、おむつ交換のコツや看護師として重要な観察ポイントなどについてもお伝えしていこうと思います。
おむつ交換のコツは?
おむつ交換をする際、排尿だけなら簡単にできますよね。
男性なら、パットを陰茎に巻き付けておく、通称「男性巻き」にしておくと、仰臥位のままでも簡単にパット交換できます。
女性であっても、小さなパットをおむつに装着しておき、そのパットを交換するだけで大丈夫ですからね。
排尿であっても、患者さんによっては、尿量がとても多い人がいます。
そういう人には、パットのサイズを大きくしたり、吸収のいいパットを使用するなど、工夫すると漏れの防止になりますよ。
患者さんにあった、おむつやパットを選択すると、おむつ交換もスムーズにできます。
なんといっても、おむつ交換の1番の問題点は、排便ですよね。
有形便なら、まだラッキーです。
泥状便や下痢便の時は、おむつを開けて、一瞬固まり、1度閉じてしまいませんか?(笑)
私も新人のころは、どこから手を付けていいか、全く分かりませんでした。
便汚染する範囲を最小限にしたいとは思っても、どうすればいいかわからないんですよね。
泥状便のおむつ交換についてのコツをいくつかお伝えします。
①1番汚染しているパットを取り除く
私の勤務していた病院では、基本的に「おむつ→大パット→小パット」と重ねて使用していました。
患者さんによって、使用するパットを変更することもありますが、基本はおむつ・大小パットです。
泥状便が出た際、1番汚染されるのは、1番上にある小パットなので、まず小パットを取り除きます。
このときに、キレイな場所を汚染しないように気を付けましょう。
大パットも汚染されていたら、大パットごと取り除いてしまうといいと思います。
パットを取り除く際は、汚染部分を内側に折りたたむか、丸めるといいですよ。
また、汚れたパットをすぐに入れられるように、近くに袋を用意しておくのを忘れないようにしてください。
この、1番汚れている部分をうまく処理できれば、あとは基本的に拭くだけです。
②広い面で1度で拭き取る
泥状便って、拭けば拭くほど、広がるときがあります。
なので、何度も拭くのではなく、1度で拭きとるイメージで行うといいですよ。
タオルを手の平に乗せて、手の平全体で拭くイメージです。
一つ注意なのですが、皮膚が弱い、ただれがある、褥瘡があるなど、皮膚トラブルのある患者さんの場合、力を入れて擦ってはいけません。
なぜなら、皮膚トラブルを悪化させてしまいますからね。
皮膚トラブルのある患者さんには、タオルで「拭き取る」というよりタオルを「押し当てる」ようにするといいですよ。
それか、ぬるま湯や泡で洗浄してしまうのも方法の一つですね。
他にも、汚れを残さずキレイに拭きとるには、患者さんの体勢も重要です。
③患者さんの体勢はぐいっと側臥位
患者さんが、ご自分で横を向ける方は、柵にしっかりつかまってもらい、ぐいっと側臥位になってもらいましょう。
自分で横を向けない方は、2名介助で行い、1名が体を支える係になったらいいですね。
患者さんが、ぐいっと側臥位になったら、おむつ全体が見えやすいし、臀部やただれやすい肛門周囲の皮膚の観察も行いやすくなります。
それに、おむつ全体が見えると、パットの処理がしやすくなりますし、自分自身の作業スペースが確保しやすくなりますよ。
以上、3点が泥状便・下痢便のおむつ交換のコツです。
ポイントは
①1番汚れているパットを取り除く
②大きな面で1度で拭き取る
③患者さんはぐいっと側臥位
ですね!
また、おむつ交換の手技をレベルアップさせるには、うまいスタッフの技を盗むのがいいと思います。
病棟におむつ交換がめっちゃうまい人っていますよね。
私は、ベテラン介護福祉士さんの手技に惚れて、色々教えてもらいました。
「介護士を約15年もやっていると、被害を最小限にするという感覚ではなく、いかに少ないタオルで患者さんのおしりを美しくするか、自分との勝負になってくるのよ!(笑)」
と、ベテラン介護士さんは言っていました。
患者さんのお尻を美しくする、まさにプロフェッショナルでした(笑)。
そして、私たちは看護師として、おむつ交換の手技も大切ですが、患者さんを観察し、トラブルがあれば対応する必要もありますね。
では、おむつ交換の時、あなたはどこを観察しますか?
おむつ交換時にはどこを観察する?
おむつ交換をするということは、普段は隠れている部分の皮膚状態を観察できるチャンスでもあります。
そう!まさにチャンスタイムです!
特に、おむつを着用する患者さんということは、臥床時間が長く、便や尿が皮膚に触れている時間が長い場合が多いでしょう。
ということは、トイレで排泄する人と比べて、よりしっかりと皮膚状態を観察する必要がありますね。
臥床時間が長い患者さんは、褥瘡リスクが高まります。
そのため、仙骨・腸骨に発赤や皮膚の剥離がないかをチェックしましょう。
発赤がある場合は、時間をおいて、再度確認し、発赤が消えているのか残っているのかを経過観察する必要があります。
また、発赤・剥離があることを、主治医や他のスタッフに伝え、皮膚状態が悪化しないように、病棟全体でケアしていきたいですね。
褥瘡は早期発見、早期の除圧が重要!
悪化しないようにスタッフみんなでケアしよう!
次に、排せつ物の観察も大切です。
排尿・排便はあるか、量、におい、形状、色は正常かをチェックしましょう。
下痢や泥状便が続く場合は、肛門周囲のただれの原因となります。
肛門がただれるんですよ?
絶対に患者さんは不快感を感じていますよね。
痛くて、かゆくて、辛いと思います。
ひどくなる前に、主治医へ報告し、軟膏を処方してもらったり、下痢が治まるまでは、排便があったらぬるま湯で洗浄し、皮膚の清潔を保てるようにしたいですね。
排泄物は、食事との関係も大きいです。
尿量が少なくて、においが濃い患者さんがいたら、水分量を見直しするだけで、改善することもあります。
IN・OUTのバランスってとっても大切です。
基本的なことですが、気を付けたい観察ポイントですね。
では次に、何時間おきにおむつ交換をすべきなのでしょうか?
何時間おきに、おむつを交換する?体位変換は?
病棟によって、おむつ交換の時間が決まっているところが多いと思います。
私の勤務していた病院では、
4時、6時、10時、13時、16時、20時、23時、2時と、だいたいの時間が決まっていました。
だいたい、2~4時間おきにおむつ交換、体位変換をしていますね。
患者さんによっては、昼間の尿量は多いけど、夜間は排尿がない人もいます。
そんな方は、夜間は体位変換のみで対応するなど、患者さんに合わせたタイミングでケアする必要があります。
夜中に、何も出てないのにおむつ見られたら、患者さんだって眠れませんもんね。
ただ、自己体動が出来ない方は、褥瘡予防のため、2時間おきの体位変換を行う必要があります。
すでに褥瘡がある患者さんや睡眠不足のため、夜間は眠りたいという方には、エアーマットを導入するなど、体位変換以外の褥瘡予防策をとることも大切になってきます。
また、体交枕をうまく利用し、患者さんが安楽な姿勢を見つけてあげつつ、褥瘡予防できるといいですよね。
ポジショニング大切です!
おむつ交換や体位変換はとっても大切!
患者さんの睡眠や安楽な体勢っていう視点も
とっても大切!
看護師として、患者さんのタイミングを知り、患者さんに合わせたケアができるといいですよね。
まとめ
おむつ交換のコツや観察点、体位変換のタイミングについてお伝えしました。
学生や新人のころは、うまくできなくて当たり前だと思います。
上手くなるには、ベテランさんの手技を見て、教えてもらうことと、実際におむつ交換をして、経験を積む必要があります。
目指せ!おむつ交換プロ!(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント