看護師のyukinoです。
病棟の看護の質を上げるのって、看護師の永遠の課題ですよね。
以前の勤務先でも、病棟師長から何度も看護の質についての話をされた覚えがあります。
当時は、看護の質を上げるのって、とても難しい…と考えていましたが、現場を離れてみて、色々な看護師の意見を聞いて、あれ?質を上げるのってあることをすればいいんじゃない?と思いました。
看護の質をあげることについて、お伝えしていこうと思います。
看護の質ってなに?
そもそも、看護の質っていう言葉をよく耳にしますが、質の高い看護って、何なのでしょうか。
我々看護師は、患者さんに対する看護・ケアは日々行っていますよね。
例えば、
・意識のない患者さんの全身状態を観察した。
・おむつ交換をした。
・褥瘡の処置をした。
・認知症患者さんの安全を考え、対応した。
など、患者さんとコミュニケーションをとって、全身状態を観察して、アセスメントし、患者さんに合ったケアを提供していると思います。
しかし、この看護師が行うケアって、他者が評価しにくいんです。
なぜなら、後からどんなケアを行ったのか、目視で確認できないものだからです。
医師の場合は、状態の悪い患者さんが元気になったら、その医師は評価されますよね。
莫大な知識から治療方針を考え、指示を出すのは医師ですが、その指示を受け、患者さんの性格まで考えた細やかなケアをするのは、看護師です。
ただ、褥瘡の観察・洗浄・処置を行ったけど、どのような観察・洗浄・処置をしたのかは、実際に褥瘡を見て、ケアを行った看護師しか分かりませんよね。
では、どのようにして、ケア・観察を行ったかを明確にし、他者でも確認できるようにするのかというと、看護記録に残すことです。
看護記録は、私たちが日々ステキなケアをしている証拠!
この看護記録をチェックして、病院の看護の質を評価しているのです。
普段、残業になることもある、ちょっと、いや、かなり大変な看護記録ですが、私たちがどのように観察し、アセスメントし、ケアをしたのかを評価してもらうために必要なことなのです。
また、法的にも、医療法や医療法施行規則において、看護記録は病院の施設基準等の一つである診療に関する諸記録として規定されています。
この、看護記録の注意点として、以下があります。
・責任の明確化
事実をではないことを記載したり、記録を改ざんすることは、刑事責任が問われる可能性もあります。
看護記録の監査は定期的に行われます。
この監査の時に、何をチェックされているのかというと、施設で設定された記録の記載基準に沿って、看護実践の一連の流れが記載されているかや、記録の量や質などです。
なので、監査前になったら、紙カルテの書類はそろっているか、サインの抜けはないかなどの大掛かりな確認作業を行った記憶があります。
また、日常的に、PCカルテのサインや記録の抜けなどのチェックをしていました。
なので、看護記録の質を高めることが、看護の質を上げることにつながるのです。
看護の質を簡単に高める方法。
看護記録の量・質を高めるには、必要なものがあります。
・人手
・やる気
です。
まず、時間が必要な理由です。
もし、あなたが看護記録を書くとして、残業中に記載する記録と、余裕のある勤務中に記載する場合では、どちらがより詳細に、丁寧に書くことが出来るでしょうか。
もちろん、時間に余裕のある勤務中ですよね。
時間があれば、患者さんとコミュニケーションも取ることが出来るので、SOAPのS情報もしっかり記載できそうです。
時間がないと、S情報って患者さんと会話できなくて、記載できない場合もありますよね。
時間に余裕のないときの、記録の適当さはハンパないです。
大切な、必要最低限の内容しか記載できないのが現状…。
次に、人手が必要です。
理由としては、人手がないと、一人の看護師にのしかかる負担が莫大になるからです。
一人の看護師に負担が大きいと、当たり前ですが看護の質も落ちます。
物理的に無理ですよね。
出勤して、患者さんの情報確認して、点滴・清拭・検査・オペ出し・採血・急変・入院対応・退院対応など、患者さん数名のイベント事を秒刻みで、すべて対応するなんて場合もあります。
お昼休憩をとれないなんてことも普通ですからね。
この、多重業務を解消するにはどうすればいいか。
簡単ですよね。
人手を増やせばいいんですよ。
人手があれば、分担できますよね。
それだけで、時間に余裕が出来、患者さんへのケアの質も上がると考えられます。
急変があった時も、スタッフが多ければ定時で帰れることもありました。
スタッフが多ければ、それだけ作業・業務を分担できる!
最後に、やる気です。
看護師になるきっかけって、人それぞれなので、元々やる気のない人もいます。
逆に、やる気満々の人もいますよね。
やる気のない人・ある人の、やる気を維持・低下させないためには、時間と人手に余裕がないとダメです。
時間に余裕があって、人手もあったら、患者さんとの関わる時間が増えます。
すると、患者さんのニーズに答えやすくなるし、患者さんも「看護師さん忙しそうだから、声がかけにくい…」なんてことにはならないでしょう。
また、時間・人手に余裕があれば、定時で帰れますよね。
ということは、プライベートな時間を確保しやすくなり、スタッフのやる気アップにもつながります。
働きやすい環境の病院を看護師は探しています。
看護の質を上げるには、時間・人手に余裕があり、やる気が出るような環境ならいいんです!
病院経営には、色々と規則などがあると思いますが、病院のスタッフの半数以上を占めるであろう看護師、患者さんに1番近い存在の看護師の労働環境がよくなってほしいです。
経営者が、スタッフファーストで勤務を考えてくれたら、その分スタッフに余裕が出来、患者さんにもいいケアが提供できると思います。
看護師が、転職を繰り返し、いい病院を探し続けるよりも、スタッフファーストな病院が増えてほしいな~と願ってしまいます。
まとめ
看護の質を上げるには、働く看護師の働く環境をよくすればいいんです。
具体的には、時間・人手に余裕を持たせ、やる気を出させることです。
看護師がすぐに辞めていくのは、働く環境が過酷だからというのが大きな理由です。
看護師が辞めない病院作りしていきたいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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