認知症患者さんと関わるときイライラしないためには?

看護師向け記事

看護師のyukinoです。

看護師として働いていると、認知症の患者さんの対応に困ることってありますよね。

私も新人のころ認知症患者さんの対応を苦手に感じていました。

しかし、施設での看護を経験してから、認知症看護が苦手ではなくなりました。

そこで、認知症患者さんと関わるときにイライラしないためにはどうすればいいかについてお伝えしていこうと思います。

認知症患者さんと関わるとどうしてイライラしちゃう?

そもそも認知症とは、一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすような状態のことを言い、それが意識障害がないときに生じることです。

認知症は物忘れと違い、日常生活や社会生活が出来なくなっていくものです。

実際に、入院中に困った行動をする認知症患者さんは多くいますよね。

私が出会ったことのある、認知症患者さんとの対応で困ったエピソードを紹介します。

認知症患者さんとの対応で困ったエピソード

大腿骨頸部骨折で入院中の90代の女性。

急性期での手術後に、リハビリと退院調整のために、私の勤めていた病院に転院してきました。

術後の免荷中で、負荷をかけてはいけない状態ですが、認知症があるため守ることは困難でした。

そこで、離床センサーを設置し、立ち上がる前にスタッフが止めることになったんです。

しかし、この女性がめっちゃ動く方で(笑)、常にセンサーコールが鳴っている状態です。

センサーコールが鳴るたびに、スタッフが訪室しますが、何度も何度もいきなり訪室する他人に、患者さんはイライラしています。

患者さんはイライラ、何度も鳴るコールにスタッフもイライラ…

患者さんは不穏になり、誰も手を付けられない状態になってしまいました。

このような状況って、よくありませんか?

患者さんは悪くないですし、スタッフも患者さんの安全・治療のために離床センサーで管理し対応しているので、誰も悪くないんです。

仕方のないことだと思うのですが、私は、この不穏になった認知症患者さんの対応がめっちゃ苦手で…

患者さんの話を聞いているだけの私に対して、暴言をはいたり、叩いたり、つねったり、色々してくるわけです。

認知症があって、自制が効かないのは分かっていますが、私だって人間ですからね、悪口言われたり痛いことされたら、イラっとくるわけですよ。

さらに、受け持ちが多い日や忙しい日に、不穏状態になった時には、こちらも怒り爆発ですよね。

いけないことですが、言い返したこともあります。

そうすると、患者さんも怒り爆発で、MAX不穏状態突入です。

そんな時の対処法として、家族さんへ連絡し、病院へ来ていただいて、対応していただいていました。

他にも、一人のスタッフがずっと対応するのではなく、手の空いたスタッフが入れ代わり立ち代わり、協力して対応しました。

また、認知症患者さんが多いときは、レクリエーションの時間を作って、患者さんを車いす離床してもらい、対応するなど、工夫もしていましたよ。

認知症患者さんの対応って大変だよね。
イライラするのは無理もないかも。

病棟が忙しいのはよくあること。
スタッフが協力して対応できるといいわね。

私は、自分の経験を通して、認知症患者さんにイライラするのは、自分自身が短気で、余裕がなくて、能力がないからだと思っていました。

確かに、認知症看護についての知識が不足していました。

それを実感した経験を、ご紹介します。

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施設で認知症フロア担当になった時のエピソード

看護師5年目のある日、施設勤務となり、配属先は認知症フロア。

約50名の利用者さんの9割は認知症です。

認知症と言っても、常に不穏状態の方はいません。

スタッフの対応や夕方になると不穏になる方は数名いらっしゃいました。

認知症フロアでの勤務が決まった時、利用者さんを不穏にしてしまったらどうしよう…という不安が強かったので、先輩に相談しました。

すると、1つアドバイスをくれました。

「相手の目を見て、相づちを打ちながら、ふんふん言ってけばいいよ~」

めっちゃ軽い感じで言われたこの言葉ですが、認知症看護に大切なことがいろいろ詰まっているんです。

・受容
・傾聴
・共感

この3つは、基本ですよね。

そして、否定しないってことが、とても大切だということを実感した成功体験があるんです。

その成功体験のエピソードについて、お伝えします。

認知症フロアには、夕方になると、不穏になる利用者さんがいました。

「娘とはねえ…かわいそうなことをしたわ…。絵を描くことが好きだったのよ、あなたはダメよ、何もわかってないじゃない。帰らせてちょうだい、用事があるの。邪魔しないでよ。」

認知症の特徴的な、同じ話がループするゾーンに突入しましたが、先輩のアドバイスを思い出し、利用者さんの目を見て、頷きながら「ふんふん」言い、対応しました。

すると、不穏だった利用者さんは、だんだんと落ち着き、最期は笑顔で食事のため食堂へ向かわれました。

本当に、「ふんふん」聞いていただけですよ。

他に発した言葉は、「へ~」「そうなんですか!」「すごいですね」くらいです。

ただ、40分かかりました(笑)

忙しすぎない、落ち着いた環境の施設だからこそできた、対応かもしれませんが、この40分で何かコツをつかんだんです。

利用者さんのループする話を聞いていて、思ったのが、何度も話す話の内容ってその人の人生の中で重要なこと・思い出深いことなんだな~ということです。

この利用者さんは、

昔絵を描いていたことが自慢(表彰されるレベル)
娘さんとの関係はあまりよくない(触れられたくない内容)
主婦として生きてきたから夕食の準備がある(夕方になると不穏になる原因)

ということが分かりました。

なので、話を聞いていた40分のうち、最後の方は絵についての話をしてもらいました。

こちらが興味を持って、利用者さんの自慢の話を聞くことで、気分良く落ち着いてもらうことができました。

この成功体験が、その後の認知症ケアへの苦手意識を変えるきっかけになりました。

看護師の態度だけで認知症の患者さんが穏やかに過ごせるんだね。

患者さんが落ち着いていたら、看護師としての仕事もしやすくなるわね。

イライラしないためには?

忙しい病棟で、患者さんとゆっくり話すことが出来る時間がない環境だと、イライラしてしまうかもしれません。

しかし、認知症ケアの基本を忘れないことが大変だと思います。

受容・傾聴・共感、そして、否定しないということです。

相手の目を見て、「ふんふん」相づちを打つことですよ。

患者さんが不穏になったら、落ち着いているときの100倍は大変になりますよね。

それを考えると、患者さんと向き合って、話を聞きたほうが、後々のメリットが大きいように感じます。

また、一人で対応すると、メンタル的にしんどいです。

スタッフ全員で協力して関わっていきたいですね。

具体的には、認知症患者さん(不穏になったら手のかかる人)の対応中は、その他のことは他のスタッフがフォローする体制をとるなどです。

実際に施設では、不穏な利用者さんの対応中は、介護士さんが気を利かせてくれて、不穏対応のみに集中させてくれました。

また、私ではダメそうな場合は、別のスタッフがいい感じにバトンタッチしてくれるなど、まさにチームワークという感じでした。

毎日、やることがいっぱいで、バタバタと忙しい看護師ですが、チームで協力して患者さん対応をしていきたいですね。

そうすることで、働きやすい環境になるのではないでしょうか。

イライラしないためにも、スタッフ同士フォローし合いたいものです。

看護のお仕事

まとめ

認知症患者さんの対応についてお伝えしました。

基本は受容・傾聴・共感です。認知症ケアのはこの基本がめっちゃ大切です。

決して、私のように逆切れして、患者さんに言い返してはいけませんよ!(笑)

患者さんは否定せず、ひたすら傾聴です。

そして、チームで関わって、スタッフがイライラしないようフォローし合いましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

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